🎤インタビュー🎤~ゆっくりばこさんの紹介~

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西紋建匠㈱代表取締役の西さんへのインタビュー

 

泉北ニュータウンの周辺の村落エリアにある自社オフィスでモートワーク拠点も運営する西紋建匠㈱の代表取締役の西さんにお話をお聞きしました。(写真右:西紋建匠㈱代表取締役 西さん / 写真左:堺市政策企画部先進事業担当 中川)

 

※ゆっくりばこのHPはこちらをご覧ください ⇒ URL:https://saimon-live.com/yukkuribako/

 

 

 

 

 

 

 

Q:「ゆっくりばこ」を作ることになった経緯を教えてください。

西さん:
私は泉北に住みながら建築士として仕事をしてきましたが、30代までデベロッパーや工務店で仕事をしてきて、11年前に独立したんですね。独立にあたって、堺のインキュベーション施設であるS-Cube(さかい新事業創造センター)に入居して事業を始めたんですが、その時作成した事業計画のビジョンが「ハード・ソフトの両面で泉北ニュータウンを活性化させたい」というものだったんですね。その後、泉北で子育てをしながら「泉北ニュータウン住宅リノベーション協議会」や「泉北をつむぐまちとわたしプロジェクト」など、様々な泉北のまちづくり活動にも参加する中でだんだんイメージを膨らませていって、S-Cube卒業にあたって、自分の職場であり、家であり、コワーキングができる場所としてこの拠点を作ることになりました。

 

 

Q:ニュータウンに隣接する村落エリアであるこの場所を選ばれた理由を教えてください。

西さん:
ひとつは自宅の近くだったからです。毎朝早くに起きて、歩いて通っています。もうひとつは緑豊かな村落エリアが身近にあるのが泉北ニュータウンの魅力だと思うんですが、そういう地域の中に拠点を作りたかったんです。ちょうど窓の向こうには田園風景が広がっていて、今であれば稲穂がきれいに見えます。あと、私は愛知県の高蔵寺ニュータウンを開発された津端修一さんの映画「人生フルーツ」が好きなんですが、まさに緑と共存してニュータウンで生きられた。そんな暮らしが目標だという思いがあって、この場所を選びました。 

 

Q:ゆっくりばこのコンセプトを教えてください。

西さん:
私は建築士ですので、住宅のあり方やそこで自分が考えたことを世に問いたいという思いがあるんですね。地域の拠点として地域に開かれていて、使いたい人が自由に使っていただける場所でありたい。この建築物は古民家をリノベーションしましたが、堺市の耐震基準をきちんと満たしていますし、断熱等の建築性能も優れています。リラックスして仕事ができる、家のような仕事場のような、そんなアットホームな場所を目指しています。実際にここで仕事をされた方からも、「ゆっくり仕事に集中できた」という声を頂けています。

 

 

Q:利用される方は具体的にどんな使い方をされていますか。

西さん:
飲食店の営業許可も取っていますので、色んな使い方ができます。リモートワークをされる方もおられますし、キッチンを使ってパン教室やお菓子作りをして他の場所で販売をされる方、レストランのように使ってランチの提供をされる方やフラワーアレンジメント教室、ヨガ教室等、幅広く使い方をして頂いています。

 

Q:本当に幅広い活用ができるんですね。

西さん:
私は、イベントではなく人々の普段の暮らしに寄り添った時間や場所が活性化することがニュータウン活性化の重要なポイントだと思っているんです。ベッドタウンとしてできたニュータウンでも、暮らしと仕事が地域内で循環する新たなモデルを築き上げていくべきタイミングにあると思っています。ここは一人一人の住民が、自分が持っているスキルを見せあうことができる場でありたいと思っています。そうやって、一人一人の人生が豊かになることが、街全体が豊かになることのベースになるのではないでしょうか。

 

Q:そういう意味では、まさに時代のニーズに合った場所と言えそうですね。

西さん:
建築自体が時代の流れを反映するものですから、今は少子高齢化の中で空き家をどう活用して豊かな暮らしを紡いでいくかがわれわれ建築士の時代的ミッションでありライフワークだと思っています。私の子どもたちは泉北で育っていますが、この泉北が子どもたちの故郷になるので、良い地域を作っていきたいという思いで活動しています。

 

Q:では最後に今後の展望を教えてください。

西さん:
ゆっくりばこが一つのモデルになって、こういう拠点が泉北のあちこちに増えたらいいな、という思いを持っています。コワーキングスペースとして、ここでともに時間を過ごした人がつながって、仕事が生まれるようなそんな場所を目指していきたいです。